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「早期離職」実態調査(2025)

投稿日 : 2025-05-19

エン・ジャパンがまたひとつ、興味深い数字を公表した。人事担当者向けのポータルサイト『人事のミカタ』で、「早期離職」という問題についてアンケートをとったのだ。直近3年で、新しく入った社員が半年も経たずに会社を去ってしまった経験のある企業が、なんと57%にものぼるという。

特に、規模の大きな企業では、その傾向が顕著だった。大企業では7割以上が「早期離職があった」と答えている。そして、人事担当者たちの口からは、共通の溜息が聞こえてくる。「経営層の意識を変えられない」。まるで、古いレコードが同じ溝を何度もなぞるように、彼らは同じ問題に囚われ続けているのだ。

彼らが会社を去る理由の筆頭は、「仕事内容のミスマッチ」だった。入社前の期待と、目の前の現実との間に横たわる、埋めがたい溝。倉庫の想像以上の暑さ、聞いていた話と違う業務、教えられたことを「知らない」と言い張る若者たち。それはまるで、約束された楽園が、実は荒野だったと知った時のようだ。

会社側も手をこまねいているわけではない。定着率を上げようと、様々な施策を試みている。最も効果があったとされているのは、「上司との定期面談」だった。しかし、「特に効果を感じない」と答える企業も少なくない。まるで、どんなに美味しい料理を作っても、食べる側が空腹でなければ意味がないように、施策はあくまで手段でしかないのだ。

エン・ジャパンの編集長は、「GRC(Gap, Relation, Capacity)」という三つのキーワードを提示している。「ギャップ」、つまり期待と現実の食い違いをなくすこと。「リレーション」、上司と部下の人間関係を築くこと。「キャパシティ」、仕事の量を適切に調整すること。

この調査結果は、単なる数字の羅列ではない。それは、現代を生きる人々が、仕事という舞台の上で何を求め、何に失望し、そして何を乗り越えようとしているのか、その心の動きを静かに物語っている。そして、企業という巨大なシステムが、いかにして個々の人間と向き合い、その魂を繋ぎ止めることができるのか。その問いは、初夏の午後の、どこか物憂げな日差しの中に、静かに響き渡る。

参考:「早期離職」実態調査(2025)(『日本の人事部』2025/05/16)https://jinjibu.jp/

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記.杉浦(動画制作)

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